スポーツ動作のしくみ

カラダのことを理解していれば、スポーツやトレーニングを最も効果的に行うことができます。

動かさなければカラダは固くなる

カラダが硬い、柔らかいって言いますけど、その違いってわかりますか?
一般的に「カラダが硬い」というのは、表面的な筋肉が硬いというわけではなくて、主に関節の可動域が狭い状態のことを「カラダが硬い」と言います。


つまり、関節の動かせる範囲が狭いということで、足を真っすぐ伸ばしたまま座って、どこまで広がるかを見れば、180度開く人もいれば、90度でギブアップなんて人もいます。


この場合、股関節の可動域の差が出ていて、180度広がる人であれば「カラダが柔らかい」、90度付近できつくなっている人は「カラダが硬い」ということになります。

ただ「カラダが硬い・柔らかい」というのは関節だけの問題というわけでもなく、関節をとりまいている筋肉の柔軟性によっても左右されます。


というのも、筋肉は、基本的に骨を跨ぐようにくっついていて、関節の動きとともに伸び縮み行います。


そういうわけで、硬い筋肉であれば伸びが悪くなるので、関節の働きにブレーキをかけてしまうことになります。


さて、この筋肉なのですが、なぜ硬くなるのでしょうか?


歳を取ることによって筋肉の弾力性は失われていくので、これが1番の原因だとも言えるのですが、実は毎日十分に筋肉を動かしていれば、その弾力性を保つことはできるんですよ。


子供の頃はよく動いていたので筋肉の硬さなんて気にもならなかったかも知れませんが、歳を取ってくると、カラダの硬さを急に感じてしまうようになります。


まぁ、大人になると仕事に追われ、運動の習慣はどうしてもなくなってきますし、デスクワークなどで同じ姿勢を長時間取り続けることになることも多いですからね。


とにもかくにも、硬いカラダにならないようにするためには、カラダを動かすことが必要です。
カラダが硬くなると、ますます運動を行わなくなるばかりか、動くことさえ面倒くさくなったりもするので、毎日でもいいので少しずつでも動くようにしておきましょう。

ウォームアップは大切

いきなり筋トレをする人、特に自重トレーニングの場合は、思いついたときに行うことが多いですよね。


人間の細胞活動の活性化というのは、温度に依存していて一般的には組織温度が10度上昇すると細胞の活性化は2.5倍もアップすると言われています。

人間の平常温度は約37度くらいなのですが、それが39度くらいまで上昇すると身体機能は最大になると言われていて、平常時よりも30%もアップします。


つまり、トレーニングする前にウォームアップなどを行い体温を上げておくと、これまでよりも筋トレ回数をこなせたり、いつも以上の負荷をかけやすくなります。
また、体温をあげることによって、怪我もしづらくなりますし、ウォームアップ自体はほんの小さなことかも知れませんが、その後のトレーニングや筋肉運動に大きな影響を与えます。


もちろん温度をあげればいいと言うものでもなく、体温が41度を超えると今度はタンパク質がダメージを受け、細胞が機能しなくなってきます。


なかなか温度管理は難しいものですけど、一般的にはじんわりと汗をかくぐらいの動きが39度くらいの温度になると言われていますので、筋トレを行う前には、ちょっとくらい汗かくくらいのウォーミングアップを行ったほうが効果的です。

逆説的思考侵入効果

スポーツに限らず、人は重要な分岐点となるシチュエーションにおいて、その結果を考えるほど、「失敗したらどうしよう」「うまくいくだろうか」などとネガティブな発想に囚われがちで、ミスしたくないと思えば思うほど、そのミスしたときのことが頭に浮かんできます。



この心理のことを「逆説的思考侵入効果」というのですが、このような状態にならない人はほぼいません。


この逆説的思考侵入効果は、人を緊張させる原因のひとつで、このような状態になるとメンタルが不安定になり、カラダのかたさが極度に高まった状態になります。


このような状態では、普段どおりの実力を出せないばかりか、精神面がさらに不安定になってしまいます。


しかしながら、この緊張はすべてが悪いというわけでもなく、このような心理状況のなかでこそ、危険を察知できたり、回避できたりもします。


つまり、このような思考や感情をすべて拭い去るのではなく、ポジティブな感情と合わせてうまくコントロールすることが大切で、上手にコントロールすることができるようになることがとても大切です。