スポーツ動作のしくみ

カラダのことを理解していれば、スポーツやトレーニングを最も効果的に行うことができます。

筋肉は3ヶ月でつく

筋肉トレーニングを始めると、すぐにその効果が欲しくなってしまいますね。


運動や筋トレなどのトレーニングを開始して、目にみえる効果が得られるようになるためには、3ヶ月は必要なのです。


ですので、これから筋トレを始めようと思っている方は、これから3ヶ月後の自分をイメージしながら取り組むと、途中で挫折することなく、筋トレを続けていけるのではないでしょうか。


しかも1度、筋肉をつけてしまえば、その筋肉はなかなか落ちないんですよ。
とはいえ、家の中でゴロゴロしていたり、病気で動けなくなった場合は別ですが、普段の生活の中で、通勤通学で歩いたり、階段などを上る下りるを行っていると、筋肉はなかなか落ちないものです。


これは、男らしく立派な筋肉をつけようと思っている人ではなく、一般的な人であっても、筋トレの効果は普段の生活に現れてきます。


というのも、これまで運動を行う習慣のなかった人が、いざ運動に取り組んでみると、日常の生活自体がキビキビとしてきますし、自信が持てるようになります。


極端な話、いま落ち込んでいたり、悩んでいるような人は、筋トレを始めてみてはいかがでしょうかね?


腕立て伏せ10回でも、腹筋10回でもいいんです。
最初から無理しては絶対に続きませんから、まずは少しつづやってみるんです。


初日には、10回もできなかったものが、2~3日すると10回を平気でできるようになったり、いままでは階段の上り下りで疲れ切っていたのが、悠々とこなせるようになったりと、確実に生活に変化が表れてきます。


次第に10回程度では物足りなくなってしまうなんてことにもなってくるでしょう。


しかし、物足りないからといって、回数を増やすことだけはやめておきましょう。
回数を増やすというのは、筋トレを続けていくうえでの弊害でしかありませんし、実は、筋トレって、回数じゃないんです。


もし10回の腕立て伏せで平気になったのであれば、次は、背中に重りなどをのせて10回行うようにしてみましょう。


10回の腕立て伏せがラクになったというのは、自分の体重ぐらいの負荷ではものたりなくなったということですし、回数をこなすよりも、自分の体重プラスアルファの負荷を加えて、10回行ったほうが効率的です。

筋繊維が太いということ

筋肉は筋繊維の集まりです。


その筋繊維は、多くの筋原線維からできていて、その中にはアクチンとミオシンが詰まっています。


筋繊維が太くなるということは、筋原線維を作っている筋繊維の数が増えるということになりますので、必然的にアクチンとミオシンの数が増えるということを意味します。


そして筋肉は、このアクチンとミオシンによって動いていますから、自ずと筋肉が大きくなっていくわけです。



筋肉の活動

筋肉の活動には、筋肉の長さが変化するかしないか、変化した場合の方向によって3つのタイプの活動があります。


筋肉の長さが短縮しながら力を発揮するタイプがコンセントリック筋活動、引き伸ばされながら力を発揮するタイプをエクセントリック筋活動、筋肉の長さが変化することなく力を発揮するタイプがアイソメトリック筋活動といいます。

力の源、ATP

ATP。
決して、男子テニスツアーのことではありませんよ。


筋肉が力を発揮して運動を行うためにはエネルギーが必要です。


筋肉は筋繊維と呼ばれる非常に細い線維の集まりで、この筋繊維も筋原線維と呼ばれるさらに細い繊維が集まったものとなっています。


この筋原線維の中には、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントと呼ばれる細い2種類のタンパク質があって、ミオシンの周りをアクチンが取り囲むように並んでいます。



実は筋肉の動きは、このアクチンとミオシンというフィラメントの働きによるもので、ミオシンにはクロスブリッジと呼ばれる手のような突起がたくさんついており、普段はこのクロスブリッジはアクチンとは繋がっていません。


しかし神経から筋肉に対して「力を発揮しろ」という命令によって、このミオシンのクロスブリッジが周りのアクチンとすばやくくっつき、アクチンを引っ張り込むように内側へと引き寄せます。
掴んでは離し、掴んでは離し、アクチンをミオシンへと引き寄せてします。
これが筋肉の動きとなるのですが、それではこのエネルギーがどこからくるのでしょう??


実は、筋肉の中にはアデノシン三リン酸、ATPと呼ばれる非常にエネルギー源の豊富な物質が蓄えられています。


神経からの命令がくると筋肉の中にある酵素のはたらきにより、このATPが分解されます。
この分解される中でエネルギーが生まれ、このエネルギーがミオシンのクロスブリッジを動かく力となります。