スポーツ動作のしくみ

カラダのことを理解していれば、スポーツやトレーニングを最も効果的に行うことができます。

力の源、ATP

ATP。
決して、男子テニスツアーのことではありませんよ。


筋肉が力を発揮して運動を行うためにはエネルギーが必要です。


筋肉は筋繊維と呼ばれる非常に細い線維の集まりで、この筋繊維も筋原線維と呼ばれるさらに細い繊維が集まったものとなっています。


この筋原線維の中には、アクチンフィラメントとミオシンフィラメントと呼ばれる細い2種類のタンパク質があって、ミオシンの周りをアクチンが取り囲むように並んでいます。



実は筋肉の動きは、このアクチンとミオシンというフィラメントの働きによるもので、ミオシンにはクロスブリッジと呼ばれる手のような突起がたくさんついており、普段はこのクロスブリッジはアクチンとは繋がっていません。


しかし神経から筋肉に対して「力を発揮しろ」という命令によって、このミオシンのクロスブリッジが周りのアクチンとすばやくくっつき、アクチンを引っ張り込むように内側へと引き寄せます。
掴んでは離し、掴んでは離し、アクチンをミオシンへと引き寄せてします。
これが筋肉の動きとなるのですが、それではこのエネルギーがどこからくるのでしょう??


実は、筋肉の中にはアデノシン三リン酸、ATPと呼ばれる非常にエネルギー源の豊富な物質が蓄えられています。


神経からの命令がくると筋肉の中にある酵素のはたらきにより、このATPが分解されます。
この分解される中でエネルギーが生まれ、このエネルギーがミオシンのクロスブリッジを動かく力となります。